宝剣岳_サギダル尾根_2023年3月4日(土)
先週、隊長が登った木曽駒ヶ岳で宝剣岳のことを思い出し、まだ、頂に立っていない宝剣岳にタカちゃんと行くことになった。宝剣岳に登るルートは色々あるけど、サギダル尾根をサギダルの頭まで登り、その稜線上を宝剣岳に登り、乗越浄土から下山するルートを選択した。このルートは植生保護ため雪の積もっている間のみ登ることができるルートだ。ルートはそんなに長くはないがアルパインルートだけあって緊張する場面があるルートだ。
サギダル尾根の登攀と稜線上に懸垂下降ポイントがあるのでロープは40mロープを選択した。アルパインヌンチャクは60cmと120cmをそれぞれ2本をザックに入れる。クイックドローも2本持った。ハーネスはブラックダイヤモンドのクーロワール、PASはメトリウスのアルパインPASだ。後は標準雪山装備ってとこだ。
朝3時半に集合し私の自宅を出発した。伊勢原大山ICから高速に乗り、駒ヶ根ICから下りて菅の台バスセンター駐車場まで行く。およそ3時間の移動時間だ。
動画もYoutubeにあるので、よろしくお願いします。
06:30 菅の台バスセンターの駐車場に着く。駐車場に着くと私のiPhoneの出発時100%だった電池残量が27%になっているではないか。最近は車で充電しながらiPhoneのナビを使うことが多いが、今回は充電コードの接続が悪く充電されていなかったらしい。結局、駐車場で車のエンジンをかけてiPhoneに充電した。
菅の台バスセンターからバスに30分乗り駒ヶ岳ロープウェイのしらび平駅まで移動する。始発は、8:15だが駐車場に着いたときにはすでにザックを置いて順番取りをしている。2017年にここに来ているが、ここのシステムを全く覚えていない。並ぶ列はふたつあり、バス停に並ぶ列とチケットを購入する列のふたつだ。タカちゃんと私はバス停の列にザックを置いてしまい、後からチケットを購入する列があるのを知り、ザックをそちらにも置いた。バス停の順番の列を取ってもチケットがないとバスには乗れないので意味がないのだ。ということで、少し出遅れて3台目のバスに乗ることができた。
駒ケ岳ロープウェイに7分乗ると千畳敷駅、標高2,612mに到着する。がここでも少し待ち時間がある。9:25発のロープウェイに乗ることができた。
09:32 千畳敷駅に着いた。
標高2,600mで氷点下2℃なので寒くない。
千畳敷駅の外にでると素晴らしい景色が待っていた。最初のバスに乗った人はすでに乗越浄土に登ろうとしている。ここでタカちゃんが食料を忘れたことに気が付く。飲み物はあったのと行程が短いので私の食料で何とかなりそうだった。この素晴らしい景色を見ながら登る準備をした。
サギダル尾根はこの神社の左側から登り始める。尾根には、すでに3人の先行パーティが登って行くのが見えた。
タカちゃんは、サギダル尾根にソロで来たという人と登って行ってしまった。私はいつものように置いてきぼりだ。私としては急いで登っても先行パーティがいるので渋滞するという判断だったので、写真を撮りながらゆっくり登って行く。標高2,600m以上にいきなりあがったので体を慣らす意味もあった。
私が登って行くとサギダル尾根の岩稜ルートが見えてきた。上の写真は、途中、二人の若者パーティに追い越されたときのもの。
サギダルの頭の左側の稜線が輝いている。
私の前を先行する4人。一番先頭のパーティはロープを出し登攀を開始している。私の前を先行する4人が岩稜取付に着いたとき一番先頭のパーティのリードが1ピッチ目を終え、後続の2名があがり始めた。
通常、パートナーの私が取付に着くまでタカちゃんは待つべきだが、タカちゃんを含め、4人の先行者はフリーで登り始めた。あっけにとられる私。取付に着き、先にフリーで登った4人は少し登ったところでロープで確保しながら登る一番先頭のバーティがおり渋滞している。私も登れなくはないので仕方なくフリーで登った。でも登れるからと言って安全確保がいらないという訳ではない。
先行の4人に追いついてタカちゃんの下に着いた。渋滞しているのでセルフビレイを取ろうとした時に私がハーネスを付けていないことに気が付く。取付で準備してから登ろうと思っていたが取付をスルーしたので忘れてしまった。ブラックダイヤモンドのクーロワールは、簡単に装着できるのでその場で付けてセルフビレイを取る。
一番先頭のパーティのリードが支点構築し後続の二人が登り始めた。タカちゃんがフリーで行けますかねと聞くので、「大丈夫じゃない」と私も軽く答えてしまったがこれがまずかった。ルートは岩が露出しており、その上はスラブでホールドがなさそうな感じで落ちれば谷底まで落ちる。タカちゃんが登り始めたが、岩に対するアイゼンの使い方が心許ない。ホールドがなく、アックスを差し持ちこたえる。アイゼンは決まらず何度か外れた。タカちゃん何とか踏ん張りクリアする。私の目では紙一重で行けたように感じた。登り終えたタカちゃんは、危ないのでロープ出しますと言って支点構築して私にはロープを出してくれた。私の登った感じでは、ここは登れてもロープを出す場所だということだ。
3ピッチ目はタカちゃんも懲りたらしく、ロープを付けて灌木に中間支点を取りながら登って行く。ここは特に難しさは感じなかった。ここから少し上がるとサギダルの頭だった。
3ピッチ目の途中から下を撮る。
横には宝剣岳がそびえ立つ。
ビレイするタカちゃん。このビレイポイントのすぐ上がサギダルの頭だった。11:30 サギダルの頭に到着した。ここから宝剣岳までは稜線歩きだ。
11:40 三ノ澤岳の分岐に着いた。風はあるが少し休憩。
宝剣岳が近くなって来た。サギダル尾根を登っていた人は宝剣岳には来ないみたいだ。
宝剣岳に向かって稜線を進むと懸垂下降ポイントが現れた。高さ15mほどか40mロープで余裕で下りられる。写真は懸垂下降するタカちゃん。
途中のコルからは富士山が見える。
宝剣岳の頂上が近づいて来た。
タカちゃん稜線歩きは慣れていないらしく、途中座り込んで動けなくなる場面があった。写真も私はトラバースで越えてきたが、トラバースが怖いらしく稜線通しで行きたいと言う。雪山に登山道はないので自己判断で進むのが基本だ。私は「行きたいならどうぞ」と答える。結局、タカちゃんもトラバースで越えてきた。
ルートを間違えて少し苦労して有名な岩に立つ。タカちゃんは無理ってことでした。
有名な岩の上で撮影した。
頂上はすぐそこだ。
2017年から思い続けてきた宝剣岳の頂きに立つことができた。
宝剣岳の頂きからの眺めは最高(笑)
千畳敷駅。
伊那前岳かな。
木曽駒ヶ岳。
宝剣岳からの下山ルートから登ってくる人が見える。
宝剣岳から下山するタカちゃん。2017年に下から見たときは登れないと思ったが今見るとそうでもない。
12:54 乗越浄土に着いた。
さぁここから下山だー!
千畳敷の下山時のお決まりの風景だ。
踏み跡のない斜面を快調に下山した。
13;55分発のロープウェイで下山した。下山後、バスで30分かけて菅の台バスセンターに戻る。
帰りは、こまくさの湯へ。食堂は3:30からだったので30分待ちだ。
私は馬肉のユッケを頂く。ウメー!